突然1/3で大丈夫なんて言われても、信じられないのが当然です。
眩しいほどの光源なら、何となく大丈夫かな?と信用できるかも知れませんが、この5wの光源は見た目は非常に頼りないですから。
ここで注目するのが、緑色の円で囲まれた部分です。
不安なところには電球形蛍光灯を残すとしていますが、温室の中がほとんど2重以上に緑色の円でカバーされています。
これは、ここで使用されるLED電球の照射角がほぼ180度で、広範囲に照射されることを表しています。
ここで630nmと660nmの光源による花芽分化抑制効果が出る照射強度を比較してみます。
大葉としては、どれだけの照射強度がないと花芽抑制効果が発揮されないとの数値はどこにも発表されていませんので、菊を例にあげます。
630nmでは130mW/㎡以上が照射強度として必要。(注1)
660nmでは20mW/㎡以上が照射強度として必要。(注2)
温室の面積(9m×50m=450㎡)から、最低必要な照射強度を計算すると
630nmでは130mW/㎡×450㎡=58,500mW以上が照射強度として必要。
660nmでは20mW/㎡×450㎡=9,000mW以上が照射強度として必要。
ハイパワータイプのLEDチップでは、1wのチップがおおよそ250mWです。
630nm9Wでは、58,500mW/250mW×9=26(球)
660nm5Wでは、9,000mW/250mW×5=7.2(球)
余裕率を2倍とすれば、630nm9Wは26×2倍で52球。
660nm5Wは7.2×2倍で15球(14.4球)となります。
実際は温室のソケットの配置にも関係しますが、理論的に考えても、正しい波長を使用すれば、この様に低コストでLED導入は可能になります。
注1.愛知県農業総合試験場データより
注2.特開平8-228599「短日開花性植物の電照栽培方法」より